Re: 対応分析のプロット図の軸について(biplot関数についての補足) (HIGUCHI Koichi) KH Coder 旧掲示板
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  [No.1935] Re: 対応分析のプロット図の軸について(biplot関数についての補足) 投稿者:HIGUCHI Koichi  投稿日:2015/01/11(Sun) 15:20:03
Re: 対応分析のプロット図の軸について(biplot関数についての補足) (画像サイズ: 652×1242 13kB)

こんにちは、樋口です。

先の投稿では、Rのbiplot()関数については触れませんでしたので、少しだけ
補足しておきます。

この投稿に添付したファイルでは、上のNo.1923でも出てきた「(2)標準化スコ
ア×固有値の平方根」のプロットと、biplot()関数を比べています。

ちなみに、もとのデータはチュートリアルでも使っている漱石の「こころ」で
す。赤の四角形は「上」「中」「下」といった変数の位置を、グリーンのドッ
トは語の位置をあらわしています。

■biplot関数(デフォルト)の特徴

添付画像を見ると、biplot()関数では、変数は変数で枠いっぱいに広げ、語は
語で枠いっぱいに広げていることが分かるでしょう。変数(行スコア)と語(
列スコア)とで、図形としての扱い(拡大率)を変えて、それぞれを枠いっぱ
いに広げているのです。(※したがって、これはもう「対称的なプロット」と
は言えないように思います)

上のNo.1923に出てきた(1)〜(3)までに関しては、プロットを全体として縦横
に引き延ばすというだけの違いでした。それに対してbiplot()では、変数と語
との、相対的な位置関係まで変化していることがわかるでしょう。

■メリット・デメリット

変数と語とを別々に枠いっぱいに広げることで、スペースを有効に利用できる
可能性が高まるように思います。一方で、伝統的に多用されてきた(2)と比べ
ると、けっこう印象が変わることもあってか、このbiplotの方式をよしとしな
い方もいらっしゃるようです。

ただ、原点からの方向と距離を見るという、上のNo.1926で述べた正しい解釈
のしかたであれば、(2)からでも(4)からでも、まったく同じ分析結果を読み取
ることができるはずです。

■まとめ

正しい解釈のしかたならば同じ結果を読み取れますから、個人的にはbiplot()
の方式に問題があるとは考えていません。ただ、以前から多用されてきた方式
とは異なることを知っておいても良いかもしれません。

ということで、いくつかのプロット方式がありますが、正しい解釈のしかたさ
え知っていれば、実用上はあまり気にしなくてよいように思っています。


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